こんにちは。新宿の片隅で、小さな不動産屋を一人で営んでいる者です。
今日も事務所の窓から、新宿の喧騒を眺めながらコーヒーを飲んでいます。
大手さんのようにマニュアル通りの綺麗事は言えませんが、その分、新宿という街に根を張って生きてきた現場のリアルと本音でお話しさせていただきますね。
さて、今日のご相談テーマは大江戸線沿線での生活ですね。
私の事務所にいらっしゃるお客様でも、大江戸線をご希望される方は非常に多いんです。なぜなら、新宿、六本木、青山、汐留といったビジネス街や主要エリアをぐるっと網羅しているから。
ただ、一口に大江戸線と言っても、駅によって家賃も街の顔も全く違います。
今日は、数ある駅の中でもキャラクターがはっきりしている3つの駅、
「安さの練馬春日町」「便利さの東新宿」「おしゃれの清澄白河」
これらを徹底的に解剖して、あなたの人生のパートナーとして最適な街を一緒に探していきましょう。
【💰安さNo.1】練馬春日町
「新宿まで一本で行けて、とにかく家賃を抑えたい」。
そう仰るお客様に、私が真っ先にご提案するのがこの練馬春日町です。
なぜこんなに安いの?
単刀直入に言いますと、「地味だから」です。
駅前に派手な商業施設や映画館はありません。あるのは静かな住宅街と畑、そして日常の買い物スポットだけ。
でも、これが逆に住む場所としては最強のコストパフォーマンスを生んでいるんです。
まずは、具体的な家賃相場を見てみましょう。
| 間取り | 平均家賃 | 特徴 |
| ワンルーム | 6.3万円 | 大江戸線沿線で最安水準 |
| 1K | 7.5〜8.7万円 | 都心比で年間約20万円安い |
| 1LDK | 10.5〜13.8万円 | ファミリー単身両方に人気 |
| 2LDK | 13万円台 | 同棲・ファミリー狙い目 |
1Kの平均家賃は7.5万円から。後ほど紹介する東新宿と比較すると、なんと年間で約52万円も安くなる計算なんです。
これ、すごい金額だと思いませんか?
昨日いらしたお客様とも計算したんですが、ここで浮いた年間約50万円があれば、何ができるでしょう。
毎月4万円ちょっとを趣味に使ったり、将来のために投資信託に回したりできます。「家に寝に帰るだけ」という生活なら、高い家賃を払うよりも、生活の質自体を上げる資金に回すほうが賢い選択だと私は思います。
「地味に優秀」な生活導線
「安いと不便なんじゃない?」と心配されますよね。
実はここ、駅直結のサミットストアが深夜1時まで営業しているんです。这就是最大的强项です。
仕事でクタクタになって帰ってきても、駅を出て雨に濡れずにスーパーでお惣菜を買って帰れる。この地味な動線が、日々のストレスを劇的に減らしてくれます。
さらに、始発駅である光が丘の隣駅なので、朝のラッシュ時でも座って通勤できるチャンスが高いのも隠れたメリットですね。
【🏙利便性No.1】東新宿
次は、私の事務所からも近い東新宿。
ここは一言で言えば「時間を金で買う街」です。
圧倒的なタイムパフォーマンス
新宿駅まで徒歩圏内という、この上ない立地です。さらに副都心線も使えるので、渋谷や池袋へも一本でアクセスできます。
「終電を逃しても歩いて帰れる」「タクシーでもワンメーターで済む」という環境は、バリバリ働く多忙な方にとっては代えがたい魅力でしょう。
家賃相場はどうなっているでしょうか。
| 間取り | 平均家賃 | 特徴 |
| ワンルーム | 10.35万円 | 練馬春日町より+約4万円 |
| 1K | 11.85万円 | 新宿近接のプレミアム |
| 1LDK | 18.06万円 | 清澄白河並みの高水準 |
| 2LDK | 23.2万円 | ファミリーには割高感 |
1Kで約11.85万円と、練馬春日町と比べれば明らかに高いです。しかし、通勤時間を時給に換算して考えることができる方なら、十分に元が取れる計算になります。
プロとして伝えたい「リスク」
ただ、正直に申し上げますね。ここは治安とのトレードオフを覚悟する必要があります。
歌舞伎町の裏手に位置するため、夜間の雰囲気は独特です。救急車のサイレン、酔っ払いの声、そういった街のノイズは日常茶飯事だと思ってください。
犯罪発生率も約3%と、新宿区内でもワースト級です。特に歌舞伎町に近いエリアでは粗暴行為も少なくありません。
もしここを選ぶなら、物件選びにはコツがあります。できるだけ大通り沿いの高層階を選ぶか、オートロックや防犯カメラが完備されたセキュリティの高いマンションを強くお勧めします。
【☕️おしゃれNo.1】清澄白河
最近、若いカップルや女性のお客様からの指名率No.1なのが清澄白河です。
ブルーボトルコーヒーの日本1号店ができて以来、完全にブランド化しましたね。
「住む」というより「ライフスタイルを買う」
こちらの家賃相場を見てみましょう。
| 間取り | 平均家賃 | 特徴 |
| ワンルーム | 9〜11万円 | ブランドプレミアム込み |
| 1K | 9.6万円 | 東新宿より安いケースも |
| 1LDK | 14.9万円 | カフェ文化好きに人気 |
| 2LDK | 13万円台 | 意外にファミリー向けは安め |
1Kで約9.6万円。東新宿よりは安いですが、このエリアの相場としてはかなり強気な設定です。
それでも人気なのは、ここでの生活が絵になるからでしょう。
休日は木場公園でピクニックをして、帰りにこだわりのロースタリーでコーヒーを買う。そんな丁寧な暮らしを求める方には、これ以上の街はありません。
将来性と注意点
実は不動産屋的視点で見ると、ここは買いのエリアでもあります。
有楽町線の延伸計画(豊洲から住吉間)が進んでおり、将来的にさらにアクセスが良くなることが約束されています。地価も2020年から2025年で12%以上上昇しており、資産価値という面でも非常に優秀です。
ただし、生活する上で一つだけ注意点があります。それは、スーパーがちょっと弱いということです。
おしゃれなカフェはたくさんありますが、日常の食材を安くガッツリ買える大型スーパーは意外と少ないんです。
ですので、「毎日自炊をして食費を節約したい」という方よりは、「週末のカフェ巡りや外食にお金を使いたい」という方のほうが相性が良い街だと言えますね。
法則ロジック
ここで少し、専門的なお話をさせてください。
大江戸線の物件を探すときに、絶対に頭に入れておいてほしい地下鉄の深さというロジックについてです。
「駅徒歩5分」の嘘
大江戸線は、日本の地下鉄の中でもトップクラスにホームが深い場所に作られている路線です。
例えば六本木駅なんて、地下42メートルもの深さにあります。地上からホームまで降りるのに、エスカレーターを何基も乗り継いで、なんと10分近くかかることもあるんですよ。
不動産広告に載っている「駅徒歩◯分」というのは、あくまで駅の出入り口までの距離を示しています。
しかし大江戸線の場合、そこからホームまでの移動時間(都心部の駅ではプラス5分から7分程度)を計算に入れないと、「あれ、思ったより通勤時間が長いぞ?」という事態になりかねません。
だからこそ、先ほどご紹介した練馬春日町のような郊外駅の価値が出るんです。都心部の駅ほど深く潜らないので、実はドア・ツー・ドアの時間感覚で比べると、そこまで大きな差にならなかったりするんですよ。
コスパ・節約
では、結局どこが一番お得なのか。数字で見てみましょう。
それぞれの街に5年間住んだ場合の家賃差額を、東新宿を基準にしてシミュレーションしてみます。
| 比較項目 | 練馬春日町 | 東新宿 | 清澄白河 |
| 1K家賃 | 7.5万円 | 11.85万円 | 9.6万円 |
| 年間差(vs東新宿) | ▲52.2万円安 | 基準 | ▲27万円安 |
| 5年累積差 | ▲261万円 | 基準 | ▲135万円 |
いかがでしょうか。練馬春日町なら5年で260万円もの差が出ます。
もしあなたがフリーランスで、自宅での作業がメインなら、迷わず練馬春日町の広い部屋をお勧めします。1LDKでも10.5万円程度で借りられますからね。
逆に、毎日深夜までオフィスで働いていて、タクシー代が月に5万円もかかっているような生活なら、高い家賃を払ってでも東新宿に住むほうが、トータルコストは安くなるかもしれません。
都心へのアクセス時間あたりの家賃効率で見ても、清澄白河はタイムコスパが非常に良いことがわかります。
リスク回避
お部屋探しは良いことばかり見ていてはいけません。
私が契約書を作る際に、お客様に必ず念押しする各街のリスクについてもお伝えしておきますね。
- 東新宿の「おとり物件」と「騒音」新宿エリアは競争が激しいため、ネット上に存在しない好条件の部屋、いわゆるおとり物件がまぎれ込んでいる確率が高いです。「相場より安すぎる!」と思ったら、まずは私にLINEをください。業者間データベースですぐに真偽を確認します。また、先ほども触れましたが、夜間のサイレン音などは想像以上です。耳栓が必須アイテムになる可能性も考慮しておいてください。
- 清澄白河の「観光地化ストレス」週末になると、カフェ巡りの観光客で街がごった返します。「静かに散歩したいのに、どこも行列で入れない…」という、住民ならではの悩みを聞くことが増えました。オンとオフの切り替えが難しい側面があることは覚えておいてください。
- 練馬春日町の「暗さ」治安は数字上とても良く、犯罪発生率は0.39%と非常に低いのですが、夜道は単純に暗いです。街灯が少ないエリアもあるので、女性の一人暮らしをご検討の場合は、内見の帰りにでも、駅から家までのルートを必ず夜に一度歩いて確認することをお勧めします。
裏側・業界の本音
ここだけの話、業界の裏側を少し漏らしますね。
東新宿が意外と安い物件が出回る理由。それは築年数の古さです。
新宿のこのあたりはバブル期前後に建ったマンションが多く、築30年超えがザラにあります。耐震基準や設備の古さを、立地の良さでカバーしている状態です。見た目はリノベで綺麗でも、配管が古くて水圧が弱い…なんてこともありますから注意が必要です。
一方で、清澄白河はブランド料が乗っています。
元々は倉庫街でしたから、建物の作り自体は簡素なものも多いんです。そこに「おしゃれリノベ」を施して家賃を上げています。防音性や断熱性が、その高い家賃に見合っているかは冷静に見極める必要があります。
そして練馬春日町。ここは過小評価されています。
「練馬」という名前だけで都心から遠いイメージを持たれがちですが、大江戸線の開通で利便性は激変しました。ブランド料が乗っていない、素の家賃で借りられる、数少ない良心的なエリアだと私は思っています。
予測系
最後に、これからの話をしましょう。
もしあなたが「長く住んで、街の発展を楽しみたい」なら、清澄白河は面白いです。有楽町線の延伸工事が進むにつれ、さらに便利に、さらに地価も上がっていくでしょう。
もし「結婚資金を貯めたい」「起業資金を作りたい」という明確な目標があるなら、迷わず練馬春日町です。ここで固定費を削って、将来への種銭を作る。そんな堅実なライフプランを応援したいですね。
そして、「今、この瞬間の仕事に全てを賭けたい」なら、東新宿です。
リスクはありますが、移動時間を極限まで削り、東京の中心で戦うための前線基地としては最高の場所です。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
文字だけでは伝えきれない街の匂いや実際の部屋の空気感がまだまだあります。
もしよろしければ、今度の週末、私と一緒にこの3つの街をGoogleマップで散歩してみませんか?
あなたの東京生活が、最高のものになるように。
新宿の片隅から、いつでも応援しています。

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